古書店にて購入した『竹原聞きある記』に詳細な解説がされていた「酒造用井戸」。その場所は胡堂脇から照蓮寺の裏門へ上がる石段の地上部分にある。(2021/11/16撮影)
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 観光コースの立ち寄りスポットでもある。
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 竹原市HPにて参照できる「第2章 竹原市の維持及び向上すべき歴史的風致」に、京都伏見の酒造家大八木庄太郎氏(現「ふり袖」の向島酒造株式 会社社長大八木利治氏の祖先)がこの辺りの地方の醸造用水を取り集めて分析したところ、竹原の酒造家が賞用してきたこの照蓮寺酒造用井戸の水質が酒造に適してることを発見したとの解説が書かれていた。灘の硬水とは異なり、この地方の水質は概ね軟水とのことだが、酒造に最適な照蓮寺酒造用井戸は硬水寄りなのだろうか、それがこの解説からはどうしても読み取れなかった。

 古書店でネット購入した『竹原聞きある記』にも本酒造用井戸についてのエピソードが書かれているので要点を紹介する。
  • 竹原で最初に酒造業を始めたのは吉井世純と伝えられている。
  • この井戸は古くから酒造用に使用され、水質が最適であり、水が枯れたことが無いと言われている。
  • 井戸の石組みには天和三年(1683)と彫られている。
  • 上市に住む人から聞いた大正時代の話、水を汲んで酒倉へと運ぶ際にずぶ濡れになる人を「ビショさん」と呼んでいた。
  • 竹原は「安芸の小灘」と呼ばれ、江戸時代は所と共に竹原の代表的な産物であった。
また、本書では竹原酒の銘柄(大正から昭和の始めまで)が以下であったことも解説されていた。
  • 亀井晃三・・・「初錦」
  • 柿井敬三・・・「初鼓」
  • 吉井章五・・・「大雪」
  • 塚本信吉・・・「笑鶴」
  • 中村善七・・・「花の波」
  • 佐倉井良夫・・・「本福」
  • 増谷豊三・・・「賬枡」
  • 野島晴三・・・「華の滝」
  • 藤井善七・・・「龍勢
  • 竹鶴友三・・・「竹鶴
  • 川本常一・・・「力の井」
  • 中尾儀三郎・・・「誠鏡
  • 永田歳次・・・「国の誉」
  • 堂面政昭・・・「あこがれ」
  • 桐谷克三郎・・・「粋之友」
  • 水戸国弼・・・「飛鷹」
  • 水戸幾太郎・・・「銀鷗」
  • 米倉重吉・・・「流霞」
  • 池田寅吉・・・「鎭海」
  • 赤坂敬造・・・「初鏡」
  • 奥川千助・・・「艶鶴」
  • 進藤真一・・・「岩之井」
  • 前田広三・・・「山陽の光」
  • 森川八郎・・・「男一匹」
  • 村上豊造・・・「牡丹正宗」
  • 水戸幾七・・・「萬国」
 更に「竹鶴姓の由来」についても書かれており、・・・康永二年、岸本謙治郎政信氏が、境内竹林に鶴が来りて巣を造り育っているのだが、松に巣を造ることは多々あっても、竹林に鶴が巣を造ることは聞いた事か無く、それがきっかけで岸本姓を改め「竹鶴」と号した。その後、竹鶴姓を名乗って、享保十八年、本業の製塩業と共に酒造業を創業し、今日に至っている。竹鶴友三氏は「竹鶴」が酒名にも好適とのことで特許を取り「春心」と共に「清酒竹鶴」として販売を続けている・・・との内容(難読文を自己解釈)であった。

 ちなみにその特許(商標登録)はこれこれである。(ニツカウヰスキー株式会社の「竹鶴」とは異なる)

 この「酒造用井戸」、どこかの酒蔵にて現在も使用されているのだろうか?1980年代に関東で視たテレビの旅番組にて、この井戸が紹介されていた記憶が微かに有るのだが、その使用状況や水質維持管理の難しさについて触れられていたと思われる。
**** 2021/11/23追加 ****
井戸の石組みを撮りに再び訪れた。
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 天和三 十二月 亥?(寅?)(右端の文字は読めない、建?)
#04