小冊子『たけはら町なみめぐり』を読んでいて、外観・屋内・窓からの眺め・内庭等どれもについても見応えのある古民家でありながらも、入館料無料で管理人による解説付きなのが唯一「笠井邸」であることに今更ながら気が付いた。
 この笠井邸は出入口がある側から眺めた場合、左側が「平入(屋根が四角に見える)」で右側が「妻入(屋根が三角にみえる)」の2棟構成で、平入屋根が妻入屋根を包み込むのが特徴的な珍しい建造物で町並み保存地区の通りの最南端にある目立つ場所にある。歴史的には塩田経営者による江戸末期から明治初年の建築で、その後、贅を尽くした装飾や増改築が何度も施されたようである。

 前回、笠井邸を訪れたのは何時頃だったのか・・・10年前ぐらい経ったかもしれない。今回は敢えて「観光客モード」で入館してみた。(2021/11/28撮影)

 先ずは外観の全景。
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 左側の建物が「平入」で入館口はこちらから。
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 右側が「妻入」である。こちらは物置と車庫なのだろうか。
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 町並み保存地区でありながら電柱が残されていたのも今更だが気が付いた。
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 この建物は「NPO法人ネットワーク竹原」による管理である。
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 先ず撮りたかったのは二階の窓からの本通りの眺め。
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 これこれ。ここを訪れた観光客が撮りたくなる窓からの眺め。
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 ゆはり電柱と駐禁標識が気になる・・・。
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 窓から見た左側。
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 右側も。
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 平入棟の二階では展示などの催しが行われるスペースがある。
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 入館口の右横には機織機、糸巻車
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 箪笥
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 重箱
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 ラヂヲ、練炭炬燵・・・
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 ラヂヲの裏側を確認するもメーカー名なし。真空管が見えないがST管(ダルマ型)であろう。この状態では鳴りそうにない。
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 妻入棟の二階へ戻る。 
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 窓側の部屋は「たまゆら」部屋。
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 各種ポスターと背景画が展示されている。
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 もう台本やサイン色紙類は無さそうだ。
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 「夏鳥」の歌詞にある「急な階段」はここに違いない。
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 平入棟には「製塩」関連の資料が多数。奥の庭には水が枯れた池。 
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 趣きのある明かり窓。
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 ここで竹原の扇状地ができた経過、入浜式塩田の仕組み(干満による塩水の供給)、北前船による塩の代名詞「竹原」の搬出など、興味深い「製塩」についての説明をして頂けた。現在の製塩は吉名町沿岸の最西端にあるNPO法人ネットワーク竹原の製塩所で「たけはらの塩」が流下式塩田枝条架と釜屋式にてつくられている。おな、この「笠井邸」はVR(仮想現実)でも観覧することができるので試してみて欲しい。