吉名町の郷川沿いに墓地と寺院がある。近隣に住まわれている方々から訊けた話では竹原にある西方寺の分院とのこと。竹原の西方寺といえば普明閣を含む観光スポットでもあり、これまで各種資料で歴史等を調べていたが、西方寺に分院が存在していたことを初めて知って驚いている。
 
 吉名小学校の交差点から東へ向かって郷川に架かる橋(郷大橋)を渡ると左手に密集した墓地がある。その墓地の脇に石段があるのだが、山門も無く寺院らしき建物でもないことから以前から気にはなっていた。(2022/07/26撮影)
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 石段の左脇に立て看板があり、写真では鮮明ではないが拡大してみると柱に「西方寺吉名説教所」と書かれていた。この初めて聞く「説教所」とは何であろうか?
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 参考までに西方寺吉名説教所の場所(赤矢印)を示す。池田勇人元内閣総理大臣の実家に近い。
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 西方寺吉名説教所についての資料はネットでは殆ど見つからず、竹原書院図書館の郷土資料紹介における「池上彰と学ぶ日本の総理3 池田勇人」に名称が載っている程度であった。

 聞きなれないこの「説教所」は、浄土真宗大辞典によれば「宗教法人法に縛られることなく、布教などの宗教活動を行うことを目的とした施設」であり、「一般の建造物に仏像を安置し、定期あるいは随時に布教を行う場所が説教所である。」と書かれていた。

 愛読書「たけはらの神仏を訪ねて(著:神野勝)」においても竹原の西方寺が本寺で吉名分院である程度の掲載で、賽銭箱が無い寺院の本堂には見えない古民家風の建物と、その玄関脇にある「旅立ちの法然さま」と彫られた立像の写真が載せられており、御本尊は阿弥陀如来と書かれていた。

 石段下には2,3台停められる駐車スペースがあるが、彼岸時期に墓参り客が停める程度で、普段は郷川沿いの狭い道の離合場所になっている。