本日、2階の押入れを整理中に葉書類の束の中に挟まっていた1枚の写真を見付けた。これまで見た憶えがない名刺サイズ程度のモノクロ写真で、どこかの通りを自転車で走っている様子が撮られていた。(2023/03/09発掘)

 ルーペで拡大してみると私と弟が自転車に乗ってる後ろ姿を誰かが撮った写真のように見える。自転車の型とサドルの帯の記憶から私が小学生だった1960年代末の頃であろうか。向かってくる自転車に乗る親子?は親戚のようでもある。この頃に私の親が撮る写真は全てカラーだったので、これはカメラ好きの親戚による撮影かもしれない。

 それでは、この撮影場所はどこなのだろう?左右の家屋が黒くて場所が特定できない。そこで細部が確認できるよう生写真をスキャナでパソコンへ高精細で取り込んでみた。それがこれである。
#01
 先ずはこの写真の明度を上げて左右の建物が見えるようにしてみた。古民家風の瓦屋根から町並み保存地区(当時は上市区)のどこかのようである。
#02

 中央を拡大して明度を平均化してみるとコンクリート製電柱の左隣りに見覚えがある屋根が確認できた。この曲がった「てり・むくり」のある大屋根瓦がある建物と言えば松阪邸ぐらいしかない。であれば左右の建物は角竹鶴と竹鶴酒造。奥はビルに建て替える前の水儀支店ということになる。ただ、朝日山の稜線が現在よりも高い位置に見えるのがどうも納得行かない。
#03

 googleマップでこの写真と同アングルを再現してみたが朝日山の稜線は同じには見えず。蔵出し写真から松阪邸を多数確認してみたが同アングルで撮られた写真も見付からず。写っているのが松阪邸であることを確認する為、屋根の形状が分かり易い1枚をモノクロ化してみると見事に形状が完全一致した。
#04

 朝日山の稜線の差異は解決できないが、この謎?の写真は竹鶴酒造の辺りで撮られたものであることは間違いない。ただ、私と弟はなぜ後ろ姿なのだろうか・・・、写真を撮るならば「写真撮るけ~こっちを向きんさい」と声をかけて撮るのか普通であろう。いや、親戚に思いあたるカメラ好きの偏屈(へんこつ~)が1人がいた。

 当時としてはどうでも良い1枚のスナップ写真だが、昭和時代に町並み保存地区に並んでいた電柱は木製ばかりではなく既にコンクリート製もあったことも判明。実家の古いタンスの引き出しに仕舞ってあった私の写真アルバムが、帰郷前には無くなっていたのが悔やまれる。