以前に『芸州竹原 旧下野村大井郷史』を譲り受けた知人から、本日は『芸州竹原 旧下野村 宿根郷史』という更にディープな歴史書も譲り受けた。発行者は大井郷土史研究会員に宿根メンバーが加わった大井・宿根郷土史研究会員によるものである。(2023/03/22)
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 大井郷史とは違って「不許複製」となっているので表紙以外は公開できないが、発行は平成16年(2004年)10月、大井郷史と同じ編集者と印刷所による製本である。

 ちなみに「宿根」の読みは「すくね」でその場所は大井地区の北側辺りから朝日山の山頂が含まれる。

本著書の目次を以下に転記した。
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第1章 旧安芸国賀茂郡下野村宿根郷の概要
 Ⅰ 地理的Ⅰと自然環境
 Ⅱ 宿根郷の往還について
 Ⅲ 朝日山と宿根
  1  山頂の石「千手観音」について
  2  「行基菩薩」の登山と宿根に御止宿について
  3  「小野篁と金石山善浄院建立」の伝承
  4  「薬師如来」と「神農」の自然石刻字について
第2章 宿根の史略
第3章 民生関係
 Ⅰ 世帯数
 Ⅱ 小字名
 Ⅲ 池沼について
 Ⅳ 「池の水」利用規程
 Ⅴ 昔の「谷頭」について
 Ⅵ 宿根地区出身者戦傷病疫者芳名
 Ⅶ 近代以前の生業
 Ⅷ 専業農家から半農へ、社会近代化の影響
 Ⅸ 平成14年発掘完了の註せにおける背板遺跡発見について
 Ⅹ 消防施設
第4章 社寺について
 Ⅰ 建新宿根神社
 Ⅱ 照日神社
 Ⅲ 観音堂
 Ⅳ 金石山善浄院
 Ⅴ 朝日山山頂の千手観音石像
第5章 子弟の教育
 Ⅰ 明治初等教育制度発足以前の当地の寺子屋について
 Ⅱ 明治維新以後学校制度発足以後の当地小学校について
第6章 文化的遺産、伝承、伝説等
 1 宿根谷遺跡出土の「弥生式整形土器」
 2 塔ノ峰の宝篋印塔、五輪塔他
 3 宿根地区代表者へ受け継がれて来た木櫃の内容品
 4 中世の製鉄遺跡の発掘・発見
 5 多数保管されていた広島藩札「明治札」について
 6 朝日山山頂自然石刻字の「薬師如来」・「神農」について
 7 その他石像類
  イ 「夫婦川地蔵尊」
  ロ 「長寿の泉地蔵尊」 
  ハ 「木場の石地蔵尊」
  ニ 「鳥獣魂碑」
 8 朝日山にまつわる「三度霧」の話題
 9 その他古老のこぼれ話
第7章 古文書類
 Ⅰ 「往来物」関連
  一 「往来物」について
  二 コメント
  三 原書解説
    (略)
 Ⅱ その他の古文書類の解説・註釈等
    (略)
【巻末・別添】
 一 宿根から転出者名簿
 二 右の杞憂屋敷場所図示
 三 宿根関連年表

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 本書の本編前に多数の写真が掲載されているが、なぜか今話題の「宿根の大桜」についての写真はなかった。230頁ほほどある本文もざっと読んでみたが「宿根の大桜」が満開となる頃に古くから開かれている集落のイベントについての解説も見当たらなかった。人形浄瑠璃に似た「操りデコ」の伝承や製鉄所跡について知人から聞いていたが、それらについては解説されているようだ。なかでも「朝日山頂上にある刻字されている自然石へは座ってはならない」との伝説は「大井郷史」にも書かれていた。また、本ブログでも何度か紹介している「長寿の清水」は「長寿の泉」として解説があった。

 さて、話は変わるが、本日、本書を譲り受けた際に聞いた話。昨日、宿根地区を訪れていたNHKロケ班と住民が遭遇。「宿根の大桜」を撮りに訪れたが未だ蕾の状態だったらしく、それならばと近くに在る「梅林園」を紹介したところ幸いにも梅林園の管理人が居られたことから無事に竹原取材を完遂できたらしい。その番組は本日夕方放映の「お好みワイドひろしまのコーナ「みっけ!!」で生放送を視聴することができた。(註:演出一切なしの「全てたまたま・・」の収録とのこと)
 本放送によって、これまで一般には「宿根の大桜」しか知られていなかったが、竹原の宿根地区に新たな観光名所「梅林園」が加わった。

-以上-