No.2019.12.21
12月18日、実家のリフォームでお世話になっている一級建築士の同級生と升谷商店の社長さんとで竹原駅近くの「味いろいろ ますや」で昼ごはんを御一緒した。ここは衛星放送の旅番組に登場したことで前から訪れてみたかった居酒屋である。
その番組は6月3日の放映『太田和彦のふらり旅 新・居酒屋百選 「広島・竹原 “安芸の小京都” で名店めぐり」』である。
--番組データ--
放映チャンネル:BS11イレブン
番組タイトル:太田和彦のふらり旅 新・居酒屋百選 #33「広島・竹原 “安芸の小京都”で名店巡り」
放映日時:2019/06/03(月) 20:00~20:47
◆居酒屋と旅の達人・太田和彦が、居酒屋探訪ふらり旅。
訪れた旅先で、昼は古き良き街並みや古刹を散策。そして夜は…地域に根付いた“上質な居酒屋""を厳選して訪問。こだわりの銘酒や料理をじっくり紹介します。
◆今回の番組概要
居酒屋の達人・太田和彦が、広島・竹原で名店を巡ります。“安芸の小京都""で再会した名杜氏…。夜の居酒屋では、瀬戸内の海の幸で美酒三昧!
◆今回の番組詳細
居酒屋の達人・太田和彦が、広島・竹原を旅します。竹原市は南を瀬戸内海に面し、古くは海上交通の要衝として、大いに栄えた港町です。江戸から明治にかけて作られた屋敷が、そのままに残されている「町並み保存地区」は、“安芸の小京都"とも呼ばれる街並みです。そして竹原の町では、その名の通り行く先々で、竹の群生が目を惹きます。享保18年創業の『竹鶴酒造』では、本物の純米酒造りに情熱を燃やす広島屈指の杜氏との、久々の再会がありました。こちらでは、平成最後に仕込まれた酒をテイスティング!
そして訪ねた居酒屋一軒目は、昭和63年開店の『美食酒家 とん吉』。こちらでは、評判の日本酒の中から、今、店で呑めるものが書き出されています。肴には、牡蠣。そのエキスを残さず頂く、太田流の「殻酒」を披露!!
二軒目は、昭和62年開店の『味いろいろ ますや』。こちらは、竹原出身の夫婦が切り盛りしています。夜は「お任せコース」一本というお品書き。コースのトップバッターは、旬の刺身盛り合わせから。二皿目は、煮魚。瀬戸内の嬉しい味は、まだまだ続きます…。
竹原の魅力を、じっくりと紹介します!
----
ここは升谷商店社長の弟さんが経営している店である。番組のナレーションを文字起こししてみた。
1987年(昭和62年)開店
店主は竹原出身の升谷隆美さん、妻の昌子さんが夫婦で切り盛りしている。料理人を志した隆美さんは東京銀座の東急ホテルで10年余り洋食を学んだ。けれど地元では和食でなければ商売が立ち行かないと今の店を開いたそうだ。
昼は定食、夜はおまかせ一本で旬の鮮魚のみアラカルトというお品書き
太田氏は町並み散策を済ませて1軒目を訪れた後に2軒目「ますや」へ来店。カウンターに座るとまずは地酒を注文。もちろんお世話なっている「竹鶴」である。竹鶴の全てが揃っており、その中から本業がデザイナーである太田氏がラベルをデザインした「小笹屋 竹鶴(おざさや たけつる)」を御燗で注文。(小笹屋 竹鶴 純米原酒 1合648円)
燗浸けには一年中このストーブが活躍しているようだ。(やかんに徳利の肩まで浸けられるから)
蔵元で常温をテイスティングした太田氏、夜は燗で一年熟成の味を楽しむ。もちろん蔵の努力に感謝を込めて・・。
熱燗を一口飲んで太田氏:「・・あぁっ、やっぱ竹鶴だね・・」「今日、昼間、蔵で飲んだんだけど、通常の時、御燗の時、味が変わるものなんだけど、全く変わらない。あの味が温かくなっただけ!香ばしさが独特だね~。芯の強い酒なんだなぁ・・」
おまかせの一品目が出された。お刺身盛り合わせ(サヨリ、タコ、ギザミ)
旬の刺身盛り合わせ。鮮度を大切に、全てこの朝、港で上がったものばかり。
・・中略(竹鶴を啜りながらサヨリとギザミを食べる)・・
ギザミとはベラの別名。瀬月内の海を代表する夏の魚だ。一足早く網にかかったとのことで太田氏ラッキーであった。
・・中略(ギザミを堪能する)・・
二品目が出された。タモリの煮付け
二品目はタモリ、イサキの仲間タモリもやはり瀬戸内海でしか獲れない魚である。
奥さん:「竹原では田を守る魚、田を守る時期(夏季)に美味しい魚ということでタモリ。主人の拘りで魚を炊く時には酒と水と醤油だけ、魚自体のタモリのダシ・味が出るように」(煮魚には砂糖は使わない)
太田氏:「地魚というものは普通煮汁は少なくて色が濃いけれど、これは透明ですね」
主人:「そうですね、汁を飲んでいただくと。魚自体がしっかりと味を出して頂くので」
・・中略(白身と煮汁啜りながら煮魚を満喫)・・
太田氏が額に掛かる娘さんが描いた家族の絵を見つけてその話を聞き、美術科出身の太田氏はその出来栄えに感心する。
三品目はドーマル(トラハゼ)の唐揚げ(※おまかせコース 6648円)
太田氏:「ドーマルかぁ、胴が丸いからドーマル・・」
・・中略(背割りのドーマルをカリカリ頂く)・・
奥さんと娘さんが作った「郷土食新聞」で紹介している「魚飯(ぎょはん)」について説明。
魚飯(たけはら魚飯1500円/要予約)は江戸の昔、塩田の経営者が客に振舞った御もてなし料理、文献を頼りに主の升谷さんが甦らせた。・・とそこに娘さんが登場。
太田氏:「100点満点で120点!!(絵と新聞)」
・・・エンディング
----
実家から自転車で店を訪れたのは昼前、既に兄の升谷社長は到着していた。店主はもうすぐ釣りから戻られるとのことで、奥さんが店で忙しく客の対応中だった。カウンターに座ると太田氏が絶賛していた娘さんの描いた家族絵が掛けてある。注文したのは下の写真に載せた「日替り定食(800円)」で、小魚と野菜の天ぷら・各種漬物・味噌汁とご飯である。サクサクの衣で覆われた小魚の名を聞くのを忘れたが、地元竹原で朝獲れた魚のようだ。天つゆに浸しながら口へ運ぶと身が柔らかくて骨まで食べられる香ばしさ。味噌汁も魚のアラだし味が見え隠れしていて懐かしい母の味。
ここは4人程度が掛けられるカウンターと個室座敷が数室あり、熱燗を呑みながら旬の魚料理を楽しめる居酒屋・小料理店として地本民から愛され続けている。
では昼食時に撮った写真を紹介しよう。店の玄関3枚、カウンターと厨房、太田氏絶賛の娘さんが描いた家族絵、この日に注文した日替り定食である。