安芸の小京都 竹原アルバム

このブログは私の故郷竹原のディーブな散策アーカイブです。 1996年から続けていた旧ホームページをブログとして継続中。 (ご注意:観光向けではありません)

2021年06月

 私が竹原の写真を撮り始めた1996年頃から殆ど変っていないのが「大衆酒場」の看板が残されたままのこの建物である。場所は「あいふる」の三叉路の角(オリオンのはす向かい)なのだが、この昭和レトロな看板がとても気になっている存在のひとつなのである。(2021/06/13撮影)
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 店舗名は看板そのままの「大衆酒場」ではないだろう。 昭和55年当時の三叉路角の区画地図を以下に示すが、この「大衆酒場」の看板がある店舗は「さかき酒場」であった。
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  過去に撮った「大衆酒場」の写真を探すと、現在は紙で覆われている看板が「大衆酒場さかき(おでん)」であり、地図の通り「さかき」であったことがわかった。(2010/04/30撮影)
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 その隣にも昭和レトロ感が漂う「旅館よしつね」があったが、現在は一般住宅になっている。(2013/12/31撮影)
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 ちなみに以下は2003年頃だが、この当時は竹原市の宿泊施設一覧には「旅館よしね」と「万惣旅館」が載せられていたのを憶えいる。右隣りのクリーニング店は既に更地(売地)になっていた。(2003/04/30撮影)
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 現在、解体中のード大岡は表の壁とシャッターを残すのみとなった。あの味わい深い「モード大岡」のシャッターも末広堂側のメンズ館跡を残すのみとなるであろう。竹原市内には他にも昭和レトロな看板やシャッターが多数残っており、今後も可能な限りそれらの変化を写真に収めておきたい。

 自ブログ記事の中で「猫カフェみかん」の毎月アクセス・ランキングがダントツで1位。公式のHP「猫カフェみかん」が開設されているにもかかわらず、こちらのブログまで閲覧されているのは一体なぜ?竹原といえば大久野島の「うさぎ」が世界的?に有名だったのだが、ここまで「猫」に人気があるのであれば尾道の「ねこ」人気に対抗できる観光名所にもなれる可能性もありそうだ。
 竹原で猫に癒されたいなら「猫カフェみかん」に加えて照蓮寺がお薦めである。岩合光昭さんの「世界ネコ歩き」にも登場した照蓮寺でくつろぐ猫たちは、自宅に猫を飼っている私でも連れて帰りたいぐらい愛らしい。

 この日に照蓮寺を訪れた時は、石段下に2匹、石段上に1匹、境内にて1匹に会うことができた。石段下にいた猫は植木鉢の陰に隠れてしまい、貯水池脇にいた猫は自動車の下に隠れてしまった。逃げられたので仕方なく石段を上がりかけた時に山門下にいる猫を見つけた。まるで石段に擬態化したようで下からでは気が付かなかった。(2021/06/13撮影)
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 近づいても知らん顔。
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 眠いのか撫でても全く動じない。カメラ目線の写真を撮ろうと呼んでみたが完全無視。しつこ過ぎたのが、山門をくぐって境内へ歩いて行ってしまった。
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 岩合さんのように猫目線の高さで追ってみたがソッポ。
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 境内にも猫がくつろいでいたので「バイバイ」したら、この通りのベストポーズ。猫好きにはこの「ツンデレ」がどうし様もたまらないのだ。
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 境内ではサビ模様の猫が転げまわっていた。撫で回すと「もっとしてくれ・・」と言わんばかりに足にモグレついてくる。
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 カメラ目線の写真を撮ろうと少し離れるとまた寄って来る。これが近寄られる寸前に撮った唯一のベストショット。
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 近寄る・・・逃げる・・・を繰り返していたら、突然の睨み。
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 「しつこい!」と嫌われたかと思いきや、石鉢に上がって水を飲み始めた。飲み終わったあとは再びゴコロゴ転げ回っていた。
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 照蓮寺を訪れると、大抵は2~5匹程度の飼い猫やノラ猫たちに出逢える。運が良ければ石灯籠の中で寝ていたり、夕陽に長い影をつくって座っていたりと、猫たちを撫でながら癒されて映える写真も撮れる。寺への角にある自販機で缶コーヒーを買い、石段に座って自由に暮らす猫たちを眺めながらコーヒーをすすれば照蓮寺も「猫カフェ」になる。
 寺に猫と言えば、現在は尾道でよく見掛ける「福石猫」が飾られていた忠海の本立寺「かくや姫美術館」は久しく訪れていないが、町並み保存地区にて自由に暮らしている猫たちは観光地としての付加価値になるであろう。既に猫をあしらった竹原観光パンフレットや保存地区に棲む「ももねこ様」もあるし、これに「照蓮寺の猫たち」をもっとアピールすれば、大久野島の「うさぎ島」に加えて照蓮寺を「猫寺」とした観光地になるかもしれない。

 忠海の誓念寺向いに「満ち潮せんべい本舗」と書かれた店頭テントを見つけた。(2021/06/15撮影)
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 平日火曜の午後3時頃、この日は店舗のシャッターが閉じていたが、普段は開いているのかは分からない。
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 店舗名は「村上製菓」。建物の壁なども確認してみたが、登録商標などは見当たらず。
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 私が知っている忠海の製菓店はたったの1件。忠海高校同窓会関東支部の同窓会に出席されていた忠海町出身の方の実家が、忠海駅から小泉への直進道路の突き当り(カシコ時計店辺り)に昔あった饅頭屋だったということ。この「満ち潮せんべい本舗」についてはこの散策の日に初めて知った。
 ネットで「満ち潮せんべい本舗」を検索してみたところ、脇本茂紀氏の著書による「忠海再発見」の「139.JR忠海駅(ふれあいステーション)」に以下の記述が見つかった。
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「私が子どもだった昭和40年代には、駅に売店がありました。「満ち潮煎餅」や「ちちぼ焼き」という小さな丸い煎餅を買いに行ったものでしたが……」と懐かしむのは、NPO法人の職員・北方雅之さん。「当時の駅舎はもっと広くて、お祭りで神輿が入ってきたものです。」と話す。
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 この著書、忠海について知りたくて「竹原書院図書館」で現在借りている「忠海再発見(八〇話)」があるのだが、それには目次番号の139は存在せず、両書を比較するも1~80までの内容も全く一致していない。忠海の詳細を調べるには図書館の著書だけではまだまだ足らないということだ。
 更にこの著書では「170 昭和十年『忠海案内』のコマーシャル」に昭和10年当時の商工業者の一覧が掲載されている。この中には多数の「潮煎餅」の菓子舗があり、「村上製菓」については「元祖高木潮煎餅・釣鯛饅頭製造元 村上商店」が見つかった。「元祖高木潮煎餅」と「満ち潮せんべい」の関係は分からないが、忠海の知人に「満ち潮せんべい」について訊いてみる予定である。

 本日は安芸津町にある「COFFEE HOUSE りばぷーる」を初めて訪れてみた。ここは同じ町の「ジスボーイ」店長(菅田さん)から「行ってみんさい。」と薦められたビートルズの曲が常時流れている喫茶店。本記事は場所が竹原圏外のため「番外編」としたが、実は「りばぷーる」店主は竹原市出身の方であった。
 本喫茶店については、安芸津町の国道185号沿いにある「ゆめマート」駐車場をぐるっと回って竹原側へUターンする際、ゆめマート裏側にあるツタで覆われた「りばぷーる」という名の建物の存在を初めて知ったのだが、明らかにビールズ系の店でありながらこれまで訪れていなかった。
 外観は煉瓦造りなのだが、この通りツタが茂って一面覆われていて、ドアの掛看板を確認することなくオープンしているか否かは鮮やかなイギリス国旗の掲揚と入口軒下のランプで遠目からも判断ができる。(2021/06/22撮影)
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 駐車場は店頭に4台程度置けそうなスペースがある。
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 意外にも外観からは「ビートルズ」感が漂ってはいなかった。
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 訪れたのが14時半を回っていたせいか店内に先客は無く、外が眺められる窓際テーブルに座ってみた。店内は喫茶店としてはかなり広く木調感で統一されていた。直後に来客があったので店内の様子は今回は撮らなかったが、注文したアイスオーレとタマゴサンドなどは一応承諾を頂いてからブログ用に撮影。なお、店内の様子は「食べログ」にも多数載っているので参照されたい。
 少し店内を見て回ったところではビートルズ関連グッズやポスターなどは見当たらなかった。壁に黒いエレキギターが掛けてあるぐらいであった。
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 テーブルに着いてから店内に流れていた曲順は以下の通り。音量は会話の邪魔にならない程度でかなりの小音量。店の裏側に通っている呉線に列車が「カタン・カタン」と走ると曲が掻き消されるほどである。
♪♪ Julia.
♪♪ Within You Without You.
♪♪ 店内を回って店主と話していたので聴きそびれた(Sgt.Pepper's盤の曲だったはず)
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♪♪ Hold MeTight.
♪♪ Silly Love Song.(解散後のPaulの曲)
♪♪ Words Of Love.
♪♪ Mother Nature's Son.(別バージョン)
♪♪ Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band.(Reprise)
♪♪ She's Leaving Home.
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♪♪ Hey Jude.(ラストのリピート&フェードアウトまで)
♪♪ Fool On The Hill.
♪♪ (聴いたことが無い曲とアナウンサーのシャウト)
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 この店を始められたのは約30年前とのことで、店主のご出身が竹原市と聞いてびっくり。2018年の豪雨災害による浸水は大変だったそうで、店内入口の煉瓦には当時の水位痕が生々しく残っていた。店名の由来や流されている選曲などについてもっと聞いてみたかったが、それは次回訪れた時にカウンター席に座ってからとしよう。
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 店の横には三津大川が流れている。川に架かっている鉄橋は呉線であり、対岸側が安芸津駅方面。
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 「リバプール」と「煉瓦造り」といえビートルズ下積時代の聖地「キャバーン・クラブ」を連想するのだが、この辺りが昔は煉瓦工場跡だったこともあり、その工場跡をベースに改装されたのであろうか?
 仕事休みの日曜日は開店直後の13時過ぎに幼馴染でビートルズ好きの友人と「ジスボーイ」を訪れてレア物を漁り、その帰りは「りばぷーる」へ立ち寄って掘出し物を見せ合いながらコーヒーをすする。そんな贅沢な日常が自分に訪れるのは一体いつになるのだろうか。

 梅雨の最中にしては暑すぎる好天の休日、的場の突堤に椅子を置いて憩のひとときを過ごし、竹原帽子店で夏用キャップを買い、照蓮寺では猫たちと遊び、竹原の街中をぶら~り、その途中で久しぶりにHIRO HOUSEでひと休み。(2021/06/13撮影)
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 汗がじとーっと染みた半袖シャツが肌にまとわりつく暑さにとうとう軽い目まい。日曜日にしては閑散過ぎる竹原駅前にて、この看板に吸い寄せられるように店内へ入った。
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 先客は奥の席に2名のみ。ひとり窓際の席へ座ってアイス・カフェオレとヒロハウス・ケーキを注文した。モード大岡跡が屋内から徐々に解体されていることや、昭和30年代までオリオン辺りにあったらしい映画館についてカウンター席に座ってマスターと話したかったが、コロナ感染拡大対策中の最中なので会話は当分がまん・がまん。
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 いつもHIRO HOUSE で座る席は窓際のここである。
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 その理由は窓を丸くくり抜いた「丸い換気扇」と、ガラス越しにこの「竹原のランドマーク」が眺められるからである。
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 この日のモード大岡跡の外観は普段と変わりは無かったが、本日は巨大な屋根が崩される最中であった。

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