安芸の小京都 竹原アルバム

このブログは私の故郷竹原のディーブな散策アーカイブです。 1996年から続けていた旧ホームページをブログとして継続中。 (ご注意:観光向けではありません)

2021年11月

 11月2日は中通り農協向いの「お好み ハスウ Bon-bon」にて昼食。自宅から歩いてでも行ける距離にありながら訪れたのは今回が初めてであった。レストラン「Bistro Shin」と棟続きの店舗となっており、店前を通った際には店内から香ばしい香りと賑やかな話し声がいつも流れ出ている。夕方には駐車場が満車になるほどで、いつも店内が常連客で和気あいあいに違いないと勝手に感じていたことが、これまで訪れなかった理由である。だが、今回は昼間でもあり駐車場も先客の1台のみ。ならば空席があるだろうと暖簾をくぐってみた。(2021/11/02撮影)
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 店内は昼間でも明るくて4人座りの座敷席が2つ、4人席のテーブルが2つに厨房兼L字型カウンターであった。入口横のテーブル席に座ってメニューを拝見。さすが「地元民が薦める店のひとつ」、全体的にリーズナブルな価格(530~1000円)であり、以下バリエーションも多彩。
  • 当店おすすめ(7種)
  • お肉はいらんのよ~(3種)
  • たけはら焼き
  • ねぎ焼き(2種)
  • 麺はいらんのじゃけど~(2種)
  • 広島焼や唐辛子麺への変更・・・その他
トッピングには砂ずり・ホルモン・牛すじなどもあったし、ご飯やそば飯、オニギリまであるのには驚いてしまった。
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 今回は初めて訪れたので「当店おすすめ」の中から店名が付く「Bon-bon焼き(そば)/990円」を注文。鉄板が熱々になった頃合いをみて運ばれてきたのがこのネギ山盛りの巨大なお好み焼!
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 トッピング無しでありながら、肉・玉子・イカ天・生エビ・生イカ・ホタテ入りの本体の厚さ3倍のネギ!中身もミッチリでこのボリューム!
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 甘いネギが食をそそったせいか、いつのまか腹8分を通り越して満腹も越え、完食した後に気が付けば腹12分になっていた。
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 他店のテーブル席では鉄板に運ばれてきたと同時に容赦なくガスが消されてしまうのだが、ここでは中火が保たれていたので生地や麺が好みのカリカリになるまで焼くことができ大満足!
 ここなら昼間にビールを飲みながら色々食べても千鳥足で歩いて帰れるし、次回は店主と話せるカウンター席に座ってみることにしよう。こんな店が身近にあることが嬉しくてたまらない。

 文化の日の午後2時過ぎ、二重焼を食べたくて松屋へ行ってみたが「本日終了」の札・・・残念。日曜日は店前に出来上がり待ちの自動車があふれていたので買えなかったのに、この日は閑散していたはそのせいか。既に売り切れてしまっていたのか祝日は閉店だったのか、二重焼はまたの機会となってしまった。
 掛町を通って松屋を訪れる際に軒下に張られた注連縄(しめなわ)を見つけた。この辺りにある神社といえば「住吉神社」と「楠神社」であろう。注連縄が張られたエリアを巡ってみるとこのごく一部だった。(2021/11/03撮影)
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堂面薬局の観光マップを使って注連縄が張られたエリアを示すと、祭りの対象はどう見ても「住吉神社」なのだが・・・・。
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 鳥居から入っても祭りが行われている雰囲気はしない。
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 境内に入ったついでに拝殿脇から本殿辺りを確認するも祭りらしき飾りは見当たらず。
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 拝殿の中も何もない。拝殿が造られた当時に北前船の模型が飾られていたが何処へ?
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 竹小時代にここで遊んでいた頃は拝殿が無く、境内には狛犬&獅子と灯籠に本殿と銀杏の木ぐらいしかなかった。しかし、いつここに来ても狭い・・・・。
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 日の丸寫眞舘との隙間から拝殿の中を覗く狛犬。
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 昔、吉本綿業と岡藤輪業があった駐車場側から拝殿の中を覗く獅子。
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 本殿裏の力石(ちからいし)、ここで遊んでいた昭和40年代当時に見た記憶がない。北前船の船乗りが力比べをしたらしい力石についてはこの資料P55(尾道市)にも触れられているが、「塩」の代名詞「竹原」を全国へ運んでいた北前船寄港である「竹原市」がなぜ載っていないのだろうか。
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 しかし、この注連縄は「住吉神社」の祭りのものなのか?そこでこの近くの鳥羽町に住む親戚に訊いてみたところ「住吉神社」の祭りとのことだった。どうやら本祭りを行う区域のみに注連縄か張られているようだ。愛読書『たけはらの神仏を訪ねて(著):神野勝』を調べたら大祭「住吉まつり」が7月の第4週土曜日(秦賛会・商店会実行委員会による)、小祭が11月3日(下市4組による)と書かれていた。「住吉神社」には2つの祭礼があって、この祭りはその「小祭」であったことを初めて知った。
 先月に手に入れた『竹原聞きある記(著:竹原市老人クラブ連合会)』にも「住吉神社」についての聴き取りが載っていた。創建時期は詳かではなく境内への寄贈設備(鳥居、狛犬、手洗、灯籠と柱垣)は文政時代のもの、当初は久保町(竹原電化を曲がった筋)に鎮座していたとの伝説も有り、安政4年に岸辺にあった鳥居が境内へ移設されたとの記載もあった。そして本書最後に「力石」についても図入りで詳細に書かれていた。要約すると「住吉神社の一角に仲仕(なかせ:荷物の担ぎ手)か休憩する小屋があり、相当の数の塩のカマスを小舟に運び入れていた仲仕たちは、年に一度の祭り日に、誰いうともなくこの力石をかかえて力比べをしていたと言い伝えられている。」・・・何処から誰がこの力石をここへ運び入れたのであろろうか?
 だが、北前船の各寄港にも同様な力石の伝説があることから、竹原の住吉神社に限ったことの話ではないようであり、「年に一度の祭り」がいつしか大祭と小祭にもなっており、知れば知る程に謎は深まるばかりてある。そして「住吉神社」の境内にあるこの掲示板もその謎のひとつに加えておこう。
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 「お好み喫茶エデン」にて見せて頂いた書籍『竹原聞きある記』(竹原市老人クラブ連合会発行)古書店(通販)で購入したが、そのヒアリングによる内容のためか対象がある場所の表記が曖昧過ぎるのが難点。例えばP58の「11.胡堂」では「胡堂は町の北のはしにあって、町の境を示しており、三日市でにぎわった上市・下市の商売繁盛の神様である。」という内容から、その場所が「町並み保存地区の本町通り北の突き当り」だと推測できるのは既に「胡堂」を知ってるからである。また、「上市と下市」の境が「町の境い」とも読めるが、実際の境は胡堂がある場所ではないし、「胡堂」の項については写真や挿絵もない。更に「胡堂」の名称表記は「恵美寿堂」や「恵比須堂」なども書かれている資料が多いことから、場所探しについては事前知識が頼みの綱であろう。

 この『竹原聞きある記』に書かれている膨大な情報について写真を撮りに訪れるのが自己への使命。手始めはその「11.胡堂」である。本項には以下の興味深い記載が有るが写真は添えられていない。
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 また、この建築には、四方の虹梁(こうりょう)の上に、蟇股(かえるまた)という、蛙がまたを広げたような形をした、彫りものがある。それぞれの蟇股には付属した彫りものがしてある。
 正面には 打出の小槌
 東側には 財布(巾着)
 西側には 桃
 北側には 大福帳
 当時の町人が、彫刻にまで、縁起がよくて、商売が繁盛するようにと、願いをこめた心意気があらわれている。

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 この蟇股が撮れたので以下に紹介する。

 先ずは「胡堂」の全景。町並み保存地区におけるシンボルのひとつなので地図は割愛しても良いだろう。ちなみに角川映画の「時をかける少女」や「悪霊島」、松竹アニメの「たまゆら」にも登場している。
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 では正面の「打出の小槌」。暖簾?中央の真上に彫り物がある。
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 股状になっている蟇股の中央部分、大黒様が手に持っている木槌には見えないが亀のような彫り物があり、その左右には米俵の彫り物が確認できた。
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 次は東側の「財布(巾着)」。牙がある鬼のような顔の下に蟇股がある。 
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 巾着と言われればそのような・・・・。その左右の彫り物は何だろうか?
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 続いて西側の「桃」。
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 「桃」には見えず、「カニ」か「狐火」のように見える。
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 最後は北側の「大福帳」。社背面は狭いので、この斜めアングルが限界。
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 これは分かり易い。左右の彫り物は何か分からないが、中央彫り物には「大福帳」と彫られている。
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 なお、私がこの書籍を読んで初めて知った虹梁(こうりょう)蟇股(かえるまた)については、ここを参照されると良いだろう。
  この「胡堂」だが、本書籍には書かれていなかったが、屋根瓦の隅々に有る鬼瓦?手裏剣状の孔があけられた格子、造り直された扉(旧扉は歴史民俗資料館内に保存)、そして鬼面?・・・瓦がズレ落ちるシーンの「時かけ」ロケの逸話等々、探せばいくらでもネタが見つかる宝庫、いや、宝堂なのである。

 本日の午後、何となく自転車で町並み保存地区の散策へ。胡堂の四方の虹梁(こうりょう)の上にある彫物「蟇股(かえるまた)」を撮るのが主目的であったが、その前に西方寺石段が普明閣までの石段数を加えると丁度100段になるか否かの確認へ。酒蔵交流館がある中ノ小路の新調された竹アーチを見ながら旧佐倉酒店へと抜け出たら、本通りの左右が普段とは違う景観に変っていた。(2021/11/02撮影)
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 旧佐倉酒店のガチャが置かれていた場所に「竹原大正浪漫通」の幟。
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 軒下には提灯が下げられ、通りではトランシットによる測量や照明器具などの搬入作業が行われていた。
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 何だこれは?何かのイベント準備に違いない!と・・・持っていたコンパクトカメラを一眼レフへ切り替えて撮り直し。
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 瀬戸内醸造所には普段とは違う日除け暖簾?
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 ニッポニアホテル別館は「鬼滅の刃」風の大正浪漫風に。
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 向いの岩本邸前には瓦斯燈風のランプ。
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 観光ガイドによる町並み案内の様子を見るのも最近増えてきた。
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 旧礒辺旅館はマサに大正浪漫!
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 向いの松阪邸も塩田で栄えていた当時のような雰囲気に。
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 何のイベントが開催されるのだろうか?また映画や嵐のCM撮影時のような非公開ロケが行われるのであろうか。早速、保存地区に住まわれている方への聴き込みを開始。
 大小路にて犬の散歩途中に春風館前で休まれていたご婦人や散歩していた方々と小一時間雑談。この模様替えは昨日から始まっており、何の撮影かはよく分からないが本日(のみ)が本番と聞いているとのこと。森川邸前では着物に着替えた人々や株式会社いいね!竹原の佐渡さんも何度も見かけているようだ。本日夕方から照明類が灯されるらしく、憧憬の路さながらの竹灯りが松阪邸の庭園にセッティングされているらしい。暗くなり始めたら見物しに行かれるそうで、地域の方との再会を楽しみにして一旦帰宅。

 さてこのセットは何のイベントなんだろうか?「竹原大正浪漫」のキーワードでツイート検索したら日本旅行による「竹原大正浪漫」重要伝統的建造物群保存地区ライトアップ散策宿泊プランの告知が見つかった!しばらく見なかったツイートが飛ばされたようで竹原公式ツイートでもリツイートされていた。 この宿泊プランは「モニター・ツアー」で、催行可能か否かを見極めるための、いわば「お試し」の宿泊旅行プランである。しかし、10月から何度も街中を散策していたにもかかわらず本情報は得られていなかった。・・・ということはツアー客限定のクローズ的なイベント、地域住へは一般公開されないイベントに違いない。もしかしたら撮影可能かもしれないし、撮影等がダメでも見物人として訪れてみることで一見の価値あり。

 そして日没後に再び町並み保存地区へ向かった。地域の方から聴いていた通り、あの区画が提灯やライトで明るくなっていた。未だ歩いている観光客や一般車両の往来を避けながらカメラクルーによる動画撮影も行われており、和装に着替えたツアー客も集まっていた。その様子を見物人と一緒に遠巻きに眺めていたところ、春風館前で雑談した方々と幸運にも再会。しばらくすると動画撮影が終了したようで、進行スタッフらしき方へ確認したら撮影問題なしとのこと。待ちに待った「竹原大正浪漫」の夜景が思う存分撮れるのである。
 その前に撮影NG時に備えての保険として、18時前に急いで撮った普明閣境内と西方寺の石段。この時に数えた石段数は76段から数えてみて境内までが130段を超えていた。よって丁度100段説は調査継続。

 塀から覗くと松阪邸内の園庭に「竹灯り」が見えた。
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 普段から大正浪漫あふれている妙見邸と旧水儀本店だったニッポニアホテルが見えた。
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 入場時間制限18時ギリギリまて普明閣のライトアップを撮影中、朽ちた舞台階段袖辺りからカチカチと異音がしていた。人影が見えた気がしたが夜景の撮影者だったのか、見てはならない、見えてはならない「妖(あやかし)」だったのか・・・。
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 それでは夜中の「竹原大正浪漫」風景の撮影を開始!昼間の景観とは全く異なるこの素晴らしさ!
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 この撮影の最中にこのツアー企画を遂行されていた「いいね!竹原」の佐渡さんからのサプライズ。松阪邸の園庭にセッティングされたツアー客限定の「竹灯り」を見物客へも一般開放して頂けた。嬉しいことに写真撮影OKでブログ等への公開も問題なしとのこと。未だ「憧憬の路」を観たことが無い私にとっては先日の「酔景の小庭」での「プチ竹灯り」は涙が出るほど感動物であったが、これはその数倍の破壊力であった。いくら撮っても撮り飽きない程の枚数となり、その中から程度の良い写真を以下に掲載。

 普段は開かずの扉から中へ。
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 うわぁ~・・・。
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 今回考案されたハロウィン時期にも使えそうな竹灯りの切り方。
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 そして滅多には見られない松阪邸内からのライトアップ普明閣。
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 モニタ募集客から高評価が得られることで旅行会社等の正式プランとして採用されるのが「モニター・ツアー」のようだ。日本旅行による本モニター・ツアーのパンフレット表によると
  • 出発日:2021年11月2日(旅行期間:11月2~3日)
  • 1日目:広島駅から観光列車etSETOraで竹原へ・・・森川邸で和装へ着替えて「竹原大正浪漫」の町並み散策・・・松阪邸の特別night bar体験・・・NIPPONIAHOTEL竹原製塩町に夕食&宿泊
  • 2日目:宿泊施設にて朝食後解散・・・竹原町並み散策や大久野島へ観光等
  • 旅行料金:28,500円(1室2名ひとりあたり)/23,500円1室3名ひとりあたり)/18,500円1室4名ひとりあたり)
  • 募集人数:36名(最少催行人数:10名)
 一度、故郷竹原から「離れて暮らしてみて初めて分る景観と風情の素晴らしさ」。この観光資源に地元民でさえも感動を覚えるこのような新たな「情景」が加わろことで、初めて&リピートで竹原を訪れる観光客にとっては更なる一生の思い出に残る観光地のひとつとなるであろう。

昨日、西条に用事があってフジグラン東広島の和食レストラン「どんと」で昼食。屋上駐車場へ戻る際に最上階のT・ジョイにて「吟ずる者たち」の先行上映告知ポスターの掲示を見つけた。(2021/10/31撮影)
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 上映日の11月5日(金)は仕事で行けないのだが、早めの日曜日か火曜日に鑑賞しに行く予定である。初日以後の東広島での上映日は現時点では調整中のようだが、場合によっては観に行くのは呉ポポロシアターになるかもしれない。
 このポスター下に貼ってある内容を見ると何と!当日1回目と2回目に舞台挨拶があるではないか!!登壇者は比嘉愛未さんと中村俊介さん。ならば呉ポポロシアターの初日11月6日(土)にも舞台挨拶があるに違いないと調べたら、1回目上映後にのみ舞台挨拶!油谷誠至監督も加わっての登壇挨拶もあり。

竹原市出身である油谷誠至監督についての情報は一部だが以下を参照。
以上、初日の舞台挨拶を観に行けないのが残念でたまらないが、帰郷後初めてとなるシアターでの映画鑑賞が楽しみだ。

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