2019.12.12
 トマソンに関するものにはトマソン人物、トマソン物件、トマソン建築、トマソン芸術・・・と各種カテゴリーがあるが、なかでもトマソン物件に関する著書「超芸術トマソン」が最も有名であろう。そもそもトマソンとは何なんだ?詳しくはWikiなどで調べてもらうことにして「そこに存在する意味が無いのに、なぜか大切にされている何たら」の「例え」とでもしておこう。一般には建造物が対象なのだが、広範囲に広げた解釈として超存在トマソンと命名することにした。その認定条件はこれである。

 ****超存在トマソン認定条件****

1.一見、存在価値はないのだ存在自体は気にならない

2.利用されているのか否は確定できない

3.大切にされながら生きながらえている(いた)

 

では今回は認定1号から5号までを紹介しよう。

 

****認定1号****

 例えばこれはどうだろうか。どこで撮ったかが分からないので現在も存在しているかも確認できていない。不二家の自販機自体が珍しいのにベースボール・ルーレットという当たりくじ機能を搭載したアミューズメント性の高いドリンク自販機である。コインを入れてドリンク選択をするとピコピコ鳴って当たりが出る超機能版。

 仕掛けとして本塁から4筋のLED列が見えるのだが、コインを投入してドリンクを買うと4筋のどれかのLEDが内野か外野それともホームランの位置まで伸びて行く仕組みと思われる。画質が荒いので拡大しても説明は読めないが「めざせ!ホームラン王」となっており、ピッチャーのグローブ、腹、膝、かかと、ホームベースの先にもLEDを備えている。

 これらからドリンクを購入した本数分のバッティングトライができ、ピッチャーのLED点灯がベースまで流れてきたタイミングで何れかの選択ボタンかコイン投入口横の長い板をパンと押すと、ランダムで4筋の何れかが内野手~外野手の先まで伸びるのであろう。LEDの流れが途中で止まればアウト、ホームランまで伸びれば観客席が光ってファンファーレが鳴り、追加のドリンクが選択できる状態となる仕組みが予想できる。

 この自販機を撮った時期に動作中(販売中)であったかも分からないが、ドリングがまた超存在である。本来ならばネクターが最低1本あるはずだが、サントリーのボス、ポッカコーヒー、聞いたことが無いカスタム・コーヒーとメーカーも分からないおしるこの4種が入れてある。一律¥100の時代であり、ホットとコールド兼用の超高機能な自動販売機なのである。使用不可などの貼り紙の痕跡が無く、ドリンク見本が色褪せた缶であるため大切に放置されている超存在トマソン第1号に認定した。

 なお、「木目調ドリンク自販機」と「電気式飲物売機」は先ず現役であり、なぜ落選かは言うまでもないであろう。
#01
#02

#01-02:超存在トマソン第1号

#07
#08
#07-08:超存在トマソン第1号落選

****認定2号****
 続いて第2号を紹介する。これも撮影場所は不明。もしかしたら竹原駅前のアンデルセン・ベーカリーか本川橋前にあったタカキベーカリーの店頭かもしれない。先ずはアンデルセンだが、タカキベーカリーが広島で期限であるセルフサービス式(トンクで掴んでトレイへ入れる販売スタイル)のパン屋から始まり、全国展開にまで拡大したベーカリーのグループである。であればアンデルセンかリトルマーメイドの人魚ロゴのはずだがタカキベーカリーのロゴでもない。パンを抱えたヘンゼルとグレーテルのシルエットに見えるがそれはグリムなので違う、記憶の限りではタカキベーカリーのかなり昔のロゴに思える。

 そのロゴのみでも超存在であるがアンデルセンのアイスクリームは畑違い事業に近い。その見たことが無いアイスクリームを雪印アイス(2号候補の落選)のような冷凍庫を模倣して製品展開されたものである。通電はされておらず中身も空のようだが、朽ち果てるまでどのような利用方法があったのか予想さえできない存在であり超存在トマソン第2号に認定した。

 落選した雪印アイスクーム冷凍庫は、何かに使うための蓋の役目を果たすトタンかベニヤ板が被せてあるものの大切にされた感は微塵もない。
#03
#03;超存在トマソン第2号

#05
#03;超存在トマソン第2号落選

 ****認定3号****

 次の第3号はさすがに現在は存在していないだろう。そもそもこれが長らく存在していたNTT竹原は眼鏡市場となっている。この写真はあの巨大な「かぐや姫電話ボックスの竹筒の中に設置されていたもので、その後は国際電話専用で薄茶色の公衆電話を設置した特大ガラス張り電話ボックスの中に併設され続けていた。国際電話が使われているのを見たことは無く、カード取出口の横に書かれた「OUTLET for cards」がその物悲しさを漂わせる。自販機内のテレカには竹原ゆかりのものも無く、二つ折りガラケーの猛威に耐えながらも外国人を待ちながら国際電話対応型公衆電話機と共にボックスが撤去されるまで生きながらえた存在として超存在トマソン第3号に認定した。

 町並み保存センターの電話ボックスはギリギリで落選。目立たないよう隠されているが緊急時に出番が訪れる大切な存在である。
#04

#04:超存在トマソン第3号

#16
#16:超存在トマソン第3号落選

 

****認定4号****

 ナショナル乾電池の自販機である。コンビニやダイソーで24時間購入できる時代に存在していたものだが、どこかで未だ生きながらえている可能性大である。中にはマンガン単一と単二、アルカリ単三と単四電池に加えてフジカラーの35mm400フィルムが入っている珍しいものだ。設置場所は移転前の中国銀行バス停である。フィルムと長椅子のカラーで向いの日の丸写真館の所有だと推測するが、褪せていない近所の商店広告用にも使われており、どの程度売れているかは別として大切にされている存在のため超存在トマソン第4号に認定した。

 落選の東芝乾電池の自販機には電池のサンプルは入っていない。前に置かれた木箱は背の低い子供が楽に買えるよう考えぬいた物でもないだろう。
#06
#06:超存在トマソン第4号

#09
#08:超存在トマソン第4号落選

 ****認定5号****

 10年経過3枚写真の芸陽バス竹小バス停と旧竹原警察署バス停看板である。どちらも小梨町への路線が廃止されてからも不正ゴミ出しへの警告書や鎖用柱として長らく使われており、その地域の一部として溶け込んでいる存在となっていたので超存在トマソン第5号に認定した。因みにどちらのバス停看板も現存していない。

 落選の中仁賀バス停は路線が廃止された後のものだが、大切にされている存在ではないだろう。
#10
#11
#13
#14
#10-11,13-14:超存在トマソン第5号

#15
#15:超存在トマソン第5号落選