宿根の「1835 長寿の清水」に似た「湧き水」が小梨町に有るらしく、弟の車に同乗して竹原町から遥か彼方の小梨町までそれを探しに行ってみることにした。通常ならば地蔵町側から「いろは坂」をくねくねと登って行けるのだが、洪水による崖崩れが数箇所有って麓の斎場までで通行止め。仕方なく小吹トンネル手前辺りの峠下牛の牧場から本郷町まで延びる狭い道を抜けて遠回りで国道2号線へ出て、地蔵町側の逆方向から小梨町を訪れた。<
 詳しい場所は分かっていないが、小梨小学校が有った道沿いにあるらしい。もしかしたら案内看板等があるかもしれないので、それらしきものを探しながら進んでいくと小梨小学校跡を通り越して通行止め。逆戻りしている途中で「ホタルの里 おなし名水」の看板を見つけた。どうやらこれがその「湧き水」のようだ。路肩へ車を停めて看板のある場所へ下りてみた。

撮影月日:2016.08.07
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 別の看板には未だブルーシートが掛けてあり、完全には完成していない模様。コンクリートの石段を下ると鋳物のテーブルと椅子が備え付けられている。その向うに水を噴出すパイプ。その横には「しめ縄」が巻かれた多数のヒビが有る石が置かれている。澄んだ水に手で触れてみると冷たい!注意事項を読んでみると「水質検査を済ませ、お飲み頂けます。」の文。掌に水を汲んで一口飲んでみたところ実家の水道から出る水と特に変わらない。正しくこれは「竹原の水」である。ここで気付いたのだが水を入れて持ち帰るペットボトルを持参するのを忘れてしまった。今、説明パネルを拡大してみて「水をご利用されました方は、お志をお願い致します。」に気付いたのだが、それを入れる箱がこれだったみたいだ。まあ、一口だったので神様には許してもらうことにしよう。

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 8月の炎天下。せっかくのテーブルと椅子があるのに、ここに東屋か屋根があれば「おなし名水」を飲みながら涼めるのだが・・・。誰かがここで休んだのか、浄財箱の上に捨てられたタバコの吸殻と杖1本。人が見ていなければ、いやも見ていても「タバコ吸い」は所詮「タバコ吸い」。「バチがあたりゃぁええのに」と願ってみたが、そんな輩には逆にバチが当たらないのが歯がゆいところ。ここにこの湧き水を使ったボトル自販機や近くにコーヒー専門の喫茶店でもできれば話題にはなるのだが、訪れる人がどの程度いるのかを考えると、この程度の整備された施設を建てるのが限界なのかもしれない。

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 説明パネルを拡大してもたのがコレ。湧き水の謂れと水質の鑑定書が印刷してあり、枕元に現れた神様のお告げの通り、この亀裂の入った石を「はぐって」みたところ清水が湧き出たとの伝説である。この湧き水が流れ出ている田圃の横を流れている小川が「桶川」で、道を挟んだ向かいのこの神社が「亀山八幡宮」のようである。この伝説と湧き水を知っていたなら、在りし日の小梨小学校を含め、ここを撮っていたのだが、いつ頃からの伝説なのだろうか。保存地区にある「かかえ地蔵尊」のように地元に暮らしている人さえも知らない伝説が多々有る竹原、帰郷したらもっと調べてみる必要がある。

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