今月、竹原書院図書館で借りた5冊の小冊子のうち4冊目が『たけはら町なみめぐり』(発行:竹原市/1994年)である。本冊子は町並み保存地区内とその周辺の主な観光資源的建造物を写真入りで紹介されている。
#01

※()内説明は自註釈である。
本小冊子の掲載内容の概要を以下に記す。
  1. 竹原の町並みの特徴・・・江戸時代から入浜式塩田で発展した重厚な町並み
  2. 竹原こうし・・・平格子、出格子、塗込格子、窓格子、与力格子など
  3. 頼山陽銅像・・・昭和55年7月19日、彫刻家の南部祥雲氏による制作(村上ベーカリー前の時代写真)
  4. 笠井邸・・・(「たまゆら」のわたしたち展会場として登場)
  5. 増森邸・・・(「時をかける少女」にて日之出時計店として登場)
  6. 堀友邸・・・(蕎麦処かんの隣り)
  7. 地蔵堂・・・塩浜の守護神
  8. 長生寺・・・小早川隆景による建立
  9. 妙見邸・・・昭和初期の洋風建築の代表
  10. 竹鶴邸・・・竹鶴酒造
  11. 財満邸・・・竹鶴酒造向いの角竹鶴、与力格子が特徴
  12. 松阪邸・・・非常に華やかな建築意匠が特徴
  13. 礒辺旅館・・・昭和5年建築(磯辺ではないことに注意、現在は茶寮一会)
  14. 岩本邸・・・波に千鳥の腰板を配した出格子、二階の高楼は中国風デザイン(テレビ取材あり)
  15. 二宮邸・・・竹原の町屋の一列型の基本型
  16. 吉井邸・・・御成座敷は茶匠不二庵の設計による
  17. 普明閣・籠堂・・・市重文、竹原の中心的景観
  18. 町並み保存センター・・・旧広島法務局竹原支局
  19. 久保谷邸・・・(角の馬留めが特徴、庭続きは「茶房ゆかり」)
  20. 永田邸・・・呉服屋「いづみや」、後に石田医院(現在は竹楽)
  21. 竹原市歴史民俗資料館・・・旧町立竹原書院図書館
  22. 城原邸・・・この付近はジュウドン横町と呼ばれ夜になると大入道が出るとの噂あり
  23. 修景広場・・・明治の学者中村三理の書斎「咬菜居」がある
  24. 頼惟清旧宅・・・県史跡、頼山陽の祖父が紺屋を営んでいた
  25. 胡堂・・・上市の商業守護神かつ境界神
  26. 照蓮寺・・・【重文】日本で最古の高麗鐘、橋本曇斎の墓がある
  27. 「復古館」頼家住宅・・・重要文化財、新頼と呼ばれている
  28. 「春風館」」頼家住宅・・・重要文化財、茶匠不二庵の設計、本頼と呼ばれている
  29. 巽邸・・・【たつみてい】(現在の笛吹亭イタリアン、イル・トラゲット)
  30. 大瀬邸・・・阿波屋小路(昭和初期は一番賑わっていた筋と地域住民から聞く)
  31. 桐谷邸・・・板屋小路
  32. 亀田邸・・・茶匠不二庵の設計(格子状の垣根は犬垣と呼ぶようだ)
以上、観光客が町並みを巡る際には興味深い解説が満載なのだが、本小冊子は何処かで観光客に配布されていたものだろうか。それとも観光ガイド・ボランティア用の「虎の巻」だったのだろうか。