今年8月に解体されて更地となった「中山たばこ店跡」は本川の護岸復旧工事に使われているようだ。
本工事は2018年と2020年に発生した豪雨災害にて崩落した護岸の復旧であるが、2018年豪雨で崩落した護岸を修復し終えた後に2020年豪雨にて修復部分を残した両サイドが崩落。徐々に長期に渡たる大規模な工事になっていた。
 そして8月に更地となった「中山たばこ店跡」が大型重機の搬入スペースに利用されており、楠通り沿った本川は更なる大規模な工事中となっている。

 「中山たばこ店跡」の更地に工事看板が設置されていたのが目に留まった。(2022/10/31撮影)
#01

 本日はその看板に書かれていた内容を確認。看板は大規模工事でよく目にする「完成予想図」と「崩れた護岸に、矢板圧入+笠コンフレームを設置する工事です」と書かれており、その圧力工法と笠コンフリームについての解説も添えられていた。(2022/11/02撮影)
#02
 
 矢板とは長い鋼板(断面が「コ」状か「S」状)であり、これを連結しながら複数枚を地盤へ挿し込む(圧入)ことで浸水や土砂の流出を防ぐための資材のようだ。巨大ビルの基礎工事でよく目にする壁状の柵の最小パーツがこの「鋼矢板」で、これを継げながら地盤へ並べて圧入する工事が「圧入工法」。
 そして鋼矢板の前側が水路となり、法面がある裏側がコンクリートで埋められて上部にコンクリート製の「笠」が形成された護岸としたものが「笠コンクリート」なのであろう?と理解した。
 完成予想図はイメージ図だが、ここのサイトに参考となる完成写真をみつけた。見た目が鋼板なので景観的は悪そうだが、本川のような狭い河川の幅をコンクリート壁で狭めることなく強靭な鋼板で護岸を形成するには「笠コンクリート」が有効のようである。

 その鋼矢板や重機が搬入されている場所がこの「中山たばこ店跡」の更地である。
#03
 
 渡逢橋から眺めると、これまでは巨大なく黒い土嚢が並べられた工事であったが、重機と資材搬入の通路となる板が敷き詰められていた。
#04

 そして上流に架かる山陽橋からの眺めでは、鋼矢板を地盤へ油圧によって静かに挿し込む重機が河川上へ置かれていた。本川は日に2度の満潮と干潮が繰り返される水流が激しい河川であるため、重機が作業する路面の下には巨大な水流用のパイプが埋められていると思われる。
#05

 本工事の完成予定日が看板に書かれていたが、ガードパイプに吊るされた注意書きに隠れて読めなかった。令和5年3月末以後の予定になると思われるが、この本川での工事は素人目でもかなりの悪条件ではなかろうか。