高崎洞門をくぐる前あたりの防潮防波堤に切れ目が1つある。堤防というよりは国道沿いのガードレール程度のものなので高潮時に風雨波浪警報レベルとなると容赦なく路面に波しぶきが吹き込むのだ。しかし、普段の天候ならば堤防の下を覗くと穏やかな瀬戸内海の波打ち際が望めるし、その切れ目にある石段を下りると消波用の石垣の帯まで近寄ることもできる。ここならば国道を行き交う自動車の騒音も聞こえないし、東から西まで瀬戸内海の島々の大パノラマをひとり占めできるのだ。この辺りは竹原町から自転車で訪れるのに苦になるかならないかギリギリであり、釣り人が歩道を占拠してまで糸を垂れるようなこともしないだろうし、まして観光客がここまでは来ることは無いであろう。冬や春であれば日焼けさえ気にしなければ、いつまでても居られるペストスポットのひとつといえる。
撮影月日:2015.12.30