竹原の元旦といえば先ず思い出すのが「きり屋」。但し、掛町にあった旧店舗である。地獄の釜の蓋も開く元旦に唯一開いている店が「きり屋」だったのだ。元旦に掛町の親戚一同が集まると、それぞれの家族の子供たちは普段と違って大人しくソワソワ。親同士でお年玉がやりとりされ、お互いに調整されてからやっと手渡され「きり屋へ行かんと貯金しんさいよ」と言われる。陰で中身を確認し、こっそりと外に駆け出して15秒も走ればそこは「おもちゃの国」なのである。
 掛町から駅近くへ店舗が移転して「おもちゃのお城」になってからは訪れることは無くなったが、毎年元旦には開いているようであった。その「おもちゃのお城」が昨年に改築されマンションの1階が店舗となり、もう「お城」とは呼べなくなった。あのドップラー効果たっぷりの宣伝カーもどう唄を変えるのか、テレビCMはどうなるのかは分からないが、ある意味伝統であった元旦からの開店は続けてくれているのかを確かめに傍を訪れてみた。
 この通り開いていた。駐車場を見ると客も来ているようである。あの頃からは店主の代はもう代わっているが、いつまでも「元旦に開けてくれているおもちゃの国」であってほしい。

撮影月日:2018.01.01
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 以下 以下は昨年夏の改築完了時の「きり屋」である。カラオケ店の空き店舗だったとなりの仮店舗が解体されている最中で、ここが後に駐車場となるのである。この時は気が付かなかったが、ディズニーに登場しそうなキノコの両脇にKT(KIRIYA TOY)と書かれたマークがある。お城をモチーフにしたマークだった気もするのだが、これが前からの商標みたいである。

撮影月日:2017.08.12
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