夏越の大祓い(なごしのおおはらい/夏越祭:なごしさい)は、各地の神社で毎年6月30日(例外有り)に行われる心身の穢れや 災厄の原因となる罪や過ちを祓い清める除災行事である。多くの夏越祭では、境内に人が潜られるほどの「茅の輪(ちのわ)」が設けられており、これを参拝者が8の字に3度潜ることで穢れや厄災を茅の輪へ移して清めるための神道との結界である。
 礒宮八幡神社の夏越祭では、参拝者への茅の輪くぐり、本殿での神事(御祓い)と人形(ひとがた)車形(くるまがた)の御焚き上げが行われているのだが、昨年はコロナ感染予防で神事は中止、御焚き上げは参拝者無しでの別日に行われた。
 今年の夏越祭は、竹原町内に貼られていた貼られていた告知ポスターや礒宮の掲示板で、茅の輪くぐりだけでなく、神事と御焚き上げが行われることを知り、後ちに礒宮から自宅へ届いた開催案内に同封されていた人形と車形については、昨年の御札とミニ茅の輪も一緒に事前に社務所へ持参した。

 令和3年6月30日、礒宮八幡神社の「夏越の大祓い祭」の開催当日、17時30までに境内にて参拝者の受付で人形と車形の提出を済ませ、18時から希望者へ神事が行わた後に御焚き上げが行われる進行である。我が家では17時45分に自宅を出て礒宮へは50分頃に到着。近くの駐車場は既に満車で呉線踏切傍の駐車場に置いての参拝となった。(2021/06/30撮影)

 下の境内では参拝者の受付を継続中。手洗い所にて清めた後に受付に人形車形の事前提出(初穂料込)を告げて茅の輪が拝殿の境内へ。
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 これが社務所への事前提出を済ませた時に頂いていた今年の御札とミニ茅の輪である。参拝時の受付をフリーパスする為にはこれが「証」として必要かと持参したが、この袋を見せて告げただけで良かった。
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 茅の輪が設けられた拝殿がある境内に上がると、昨年は神主と一緒に茅の輪くぐりだけをした数人の参拝者だけだったが、今年は茅野輪くぐりを済ませた参拝者も含めて数十人が既にいた。境内に手御近所さん家族や保存地区内にお店がある妻の古き友人ともバッタリ。
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 これが茅の輪くぐりの模様である。例年は神主を先頭に参拝者一同が列を作って、茅の輪を8の字に3度くぐるとのことだが、今年は「密」を避けて案内を聴きながら個々にくぐった。
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 神主による「くぐり方」の補助もあるが、これは茅の輪の横に置かれていた看板。茅の輪をくぐった後に拝殿へのお参りを行うのである。
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 拝殿境内には「人形車形の御焚き所」が設けられていた。神事の後にここで御焚き上げの様子が観覧できるようだ。
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 本殿下にて参拝を済ませて神事を待っていると、しばらくして「神事の参列をご希望の方は本殿内にお入りください」とのアナウンス。それではと初めて本殿内へ夫婦で入ってみた。神事は太鼓の連打で始まり、祝詞(のりと)の後に玉串の奉納と続き、最後に参列者一同に御祓い。約30分間、厳かに行われた神事の一部始終を体験鑑賞?ができた。
 この神事の様子も撮影したかったのだが、これまで観光で訪れた殆どの神社が本殿内でのカメラや動画撮影を禁止していたことから今回も我慢した。なお、神事の様子は竹原市の公式ツイートに写真が掲載されているので代わりとして参照されたい。

 神事が終って拝殿境内で御焚き上げが始まるのを待った。
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 参拝者と神主のワイヤレスマイクによる祝詞が繰り返し唱えられながらが、御焚き上げの儀式が始まった。ここで人形と車形や昨年の御札などが1枚1枚焚き上げられる。
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 一応、立ち昇る煙も含めての撮影もしたのだが、考えてみればこの煙には茅の輪へ移された「穢れや厄災」と同様に良からぬモノが憑いているので、煙を扇いだり浴びてはならないことから写真も見ないほうが良いであろう。そこで敢えて本ブログへの掲載はしないことにした。
 御焚き上げの儀式は約10分間、終了後に神主からの談話があり、夏越祭に参拝されただけで半年間の無病息災が約束されるわけではなく、個々に努力をされた方に対してのみ神々が願いを叶えるのであって、コロナ禍への対策も怠らないことを告げられた。
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 18時過ぎから始まった神事と御焚き上げが終ったのが18時40分。参列者は一斉に帰路に就いた。
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 礒宮八幡神社での夏越祭に続く祭事は「秋の例大祭(旧「祇園さん」)」。昨年は中止となったが今年の開催については予行などの準備期間が2ヶ月は必要なことから7月中には決められるようだ。
 なお、「夏越の大祓い」の対となるのは年末の「年越の祓い」なのだが礒宮八幡神社ではどのような行事が行われているのであろうか。