竹原シーサイドホテル前から旧長浜海水浴場までの細長い砂浜地区を各種地図では「長浜自然海浜保全地区」と漢字10文字で書かれているのだが、どうもこの馴染みのない長~い呼び名を憶えることができない。一体だれがいつ命名?したのだろうかと、ここ数年間の謎だったが、長浜のパーキングに偶然立ち寄ったところその謎が解けた。(2023/06/25撮影)

 その場所は「カフェ・ホクストン」から西への登坂頂点にある小規模のパーキング。ここに設置された解説板にその経緯が書かれていた。
#01
 
 解説板を拡大してみるが、文章の「・・・自然海浜保全条例に基づいて指定したものです。」どうも中止半端に感じるので「・・・自然海浜保全条例に基づいて自然海浜保全地区に指定したものです。」と解釈して良いのであろう。
#02
 
 そこで「自然海浜保全条例」について調べてみたところ大元は「自然海浜保地区制度」であった。

以下にその制度を転記した。
-----------
 瀬戸内海においては、 各種の開発等によって、 自然海浜の減少が著しいことから、 残された自然海浜を海水浴等のレクリエーションの場等として保全することは、 緊要の課題となっている。 このため、 「瀬戸内海環境保全特別措置法」 第12条の7によって関係府県は条例により、 瀬戸内海の海浜地及びこれに面する海面のうち、
  1. 水際線付近において砂浜、 岩礁その他これらに類する自然の状態が維持されているもの。
  2. 海水浴、 潮干狩り、 その他これらに類する用に公衆に利用されており、 将来にわたってその利用が行われることが適当であると認められるもの。
に該当する区域について、自然海浜保全地区として指定できる旨規定された。
 自然海浜保全地区では、工作物の新築等に関して届出制が採用され、自然海浜の保全と快適な利用の確保が図られている。
 これを受けて関係府県のうち11府県において条例が制定され、平成21年12月末までに91地区の自然海浜保全地区が指定されている。
-----------
 91地区のうち27番が「長浜」で、説明板の通り・・・自然海浜保全地区に指定(昭和56年9月22日)されていた。本制度のサイトにおいて解説板に描かれた地図は探せなかったが、細部まで深入りすると瀬戸内の天然記念物に「スナメリクジラ廻遊海面忠海八幡神社社巌」も一覧に出てきた。(他には頼山陽や的場海水浴場まで載っていた)

 この地図がまた興味深い。何と読むのか分からないが呉線のトンネル「火山トンネル」や「◆(金+富)附トンネル」の固有名称が書かれているわりには「竹原シーサイドホテル」は「海浜ホテル」に略されている。
#04

 赤矢印を入れた場所が本パーキングで、ここから東の眺めが以下の写真。
#03

 黄色矢印で示したのが指定地区の最西端で、ここから東側を撮った写真が旧長浜海水浴場である。
#05

-以上-